日本一周自転車旅68日目7月1日(水)【北海道最西端尾花岬・よってけ!島牧】せたな→島牧

5:00 起床
近所のおじさんの散歩の音で目が覚める。「おはようございます、すみません、勝手にお邪魔してます。」笑顔であいさつを交わす。
大田山神社の疲れが残っていてダラダラしてしまう。ほうじ茶を飲み、パンを食べる。
この緑地広場、地面にアリがたくさんいる。特に巨大なクロオオアリが大量に歩いている。踏まないようにするのが大変だ。

7:15 荷物を整理している時、ふと海を見ると向こうに見える奥尻島からフェリーが出ていくのが見える。本当にここから近いんだなぁ。奥尻と江差はフェリーで約2時間かかる距離だけど、ここからなら30分で行けそうな気がする。

9:30 かなりゆっくり朝を過ごしてしまった。やっと出発する。
まず昨日登った太田山神社をもう一度確認するため、太田集落の南端に少し戻る。ここから登り口の鳥居と山の上の本殿が確認できる。といっても本殿は肉眼でははっきりとは見えなかったけど、だいたいこの辺りだな、という見当はついた。

で、この場所には太田山神社の拝殿があった。昨日通ったときには気が付かなかった。
改めて「昨日は無事参拝でいたことありがとうございました。これからの旅がいい旅になりますように。」とお願いした。

この場所にはもう一つ「定灯篭」というものが海辺の岩の上にある。江戸時代の灯台の役目をしていたものを復元したそうだが、デザインは今風だな。明らかに「太田」だ。

10:00 再度、太田山神社の登り口の前を通って、ようやく走り始める。

しかし、今日のクライマックスはすぐそこだった。
太田集落の北側にある「太田トンネル」。約3400mの超大トンネルだが中はいくつものカーブが連なっていてくねくねしている。このトンネルを抜けたところ、そこが北海道最西端だ。

10:20 しかし、ここは正確には最西端ではない。ここからトンネルを戻る方向に海岸を南に行ったところ。そこが本当の最西端「尾花岬」だがここからは見ることもできない。道がないのだ。なかにはここから崖下を岩礁を歩いて渡って行く者もいるとかいないとか。太田山神社以上に危険だ。

というわけで北海道最西端は事実上このトンネル出口なのだ。しかし問題はここにはなんら最西端を示すものが無いということ。せいぜいこの写真のように、この辺りですよー、というような顔をするしかない。
ちなみに写真に写っているいかにも岬的な岩は「船隠」という岩礁で、尾花岬はこのさきずっとずっと南で全く見えない。

すると一緒にこの場所にいた大分からバイクで4島4極を回っているという男性から貴重な情報を得た。「北海道最西端」という落書きがどこかに書いてあるらしいと。探してもなかなか見つからず道路の方に引き返したらそれはあった。防波堤の壁にうっすらと「北海道最西端」の文字。

無事最西端をクリアしたので北上を再開する。今日はどこまで走れるかな。
瀬棚方面が見えてくる。高台にたくさんの風力発電の風車が見える。今日も天気がいい。

10:55 瀬棚の少し手前、鵜泊漁港でおもしろいものを見た(聞いた?)
漁港の岸壁の修理かなんかをしているようなのだけど、周囲に大きな音が出ている。「シュー、ゴボゴボゴボ」。なんの音だろうとしばらく見ていたら(聞いていたら)その正体がわかった。潜水士の息遣いをスピーカーから流しているんだと。水中で作業している潜水士の様子を音で全員が聞くことで事故を防止しているんだろうなと想像した。面白いなぁ。

11:40 瀬棚の中心部を通過。信号も無い交差点を通っている時にふと駅のにおいがした。この道の様子は絶対に駅だ。行ってみるとたしかにそこは瀬棚駅があった場所だった。昭和62年に廃止された瀬棚線の終着駅。ホームも線路も何も残っていなかったけど。

瀬棚の三本杉岩や窓岩をながめつつさらに北上。ここで一つ失敗をした。
もうすぐお昼になるタイミングでセイコーマートの前を通ったが、瀬棚の中心部だしスーパーマーケットくらいあるだろうとスルーしてしまった。そうしたらそのまま町を出てしまい、スーパーどころか家も無くなってしまった。この後島牧まで40km以上店は無かった。

今度は海底に漁礁を設置する工事をしているところを見た。そうしたらまたあの「シュー、ゴボゴボゴボ」の音が大音量で流れている。ここからかなり離れているのにはっきり聞こえる。いままでこんな音は聞いたことが無かったので、最近始まったことなのか、それとも気が付いてなかっただけなのか。

どんどんお腹がすいてくる。とりあえず水を飲みながら走り続ける。
ふと今度はこれまでと様子の違うトンネルが気になった。形が違うのだ。銘板を見てみると1969年、昭和44年だ。結構古い。ここまでのトンネルはみんな平成のトンネルだった。
幅がかなり狭く壁が内側に倒れているのでさらに狭く感じる。

12:50 お腹はすいてくるし暑くて疲れてくるし、日陰で座って休めるところはないかと探しながら走り続けてきたがなかなか見つからない。いよいよもうたまらない、と反対車線の木陰に入り自転車を止め、路上に座って休憩。携行している行動食ココナッツサブレと干しブドウを食べてとりあえず落ち着く。このまま走っていたらハンガーノックで倒れてしまうところだ。

このトンネルをくぐると島牧村だ。

新しい道路やトンネルの脇には、その旧道が残っていることが多い。そして通れるものなら旧道を通ってみたいのが僕の癖だ。
しかしこれまで北海道ではこの旧道が完全閉鎖されているのを多く見かけた。
ここも右の新しいトンネル、左側に旧道のロックシェッドの道が見えるが、旧道は大きなコンクリートブロックで完全に閉塞されている。落石や崩落など危険が大きいから新しい道路やトンネルを作っているわけで、管理されなくなった旧道がいかに危険かは考えればわかることだ。おとなしく快適な道を走りましょう。

13:25 兜岩トンネルという長いトンネルを抜けたところで見つけた変わった地蔵。作業服を着ている。碑を読んでみると、戦前にあった船の沈没事故の供養の地蔵だ。悪質な密漁船(海賊?)を監視する漁協の船に、その密漁船は体当たりをして沈めてしまい、乗組員全員が死んだ事件。これ以降密漁に対する法律や監視・摘発が強化されたということらしい。
こういうのも自転車じゃないとなかなか見つけて立ち寄るのはむずかしいだろうなぁ。

14:10 道の駅よってけ!島牧
「よってけ!」である。「!」まで付いている。「よってがんしょ~」みたいな腰の低さは微塵もない。命令だ。気の弱い僕は素直に従うしかない。
ここは以前から何度も来たことがある道の駅だ。北海道にはたくさんの道の駅があるがやっぱりこの名前がユニークで覚えやすく印象に残る。
中に入ると「かってけ!」とか「くってけ!」みたいのはどこにも書いてない。むしろこっちはお腹がすいているのにすぐに食べられそうなものは無く、レストランも営業時間が終わってしまっている。なんだこれ・・・

よってけ!と言われて入ったのに手ぶらで出るのもなんか釈然としなかったので、一番安い100円のピンズガチャを購入した。なんの腹のたしにもならない・・・

14:50 島牧の街中でようやくセイコーマートにたどり着く。
とりあえず空腹を満たす「ペペロンチーノ」税別199円。大盛だ。

そして今夜の夕食と明日の朝食の食材も調達できた。
もうだいぶ走ったし結構疲れてクタクタだ。適当な寝床を探しながら走る。

高圧的な島牧村も以前はこんなに素朴な村だったんだな~(笑)

16:00 島牧の中心部から10kmほど走った本目海岸にトイレと芝生のあるところを見つける。近くに酪農家もありそれほど寂しい場所ではない。ここを本日の寝床にする。
トイレの水は「飲めません」と書いてあり、おそらく湧き水をそのまま引いたものだろう。沸かせば大丈夫だと思うけど、とりあえずボトルとウォータジャグをもって近くの酪農家のお宅に行き外の水道の水を分けてもらった。計3リットルあれば十分だ。

今夜の夕食はセイコーマートのジンギスカン。今回は野菜をキャベツミックス+もやしに増量アップグレード。
明日の朝食用食材はホットサンド用にコロッケとチキンラタトゥイユ。どんなのができるやら。

早めに寝床も確保できたし、ジンギスカンでお腹いっぱいご飯も食べられたし、ゆっくり休もう。

明日は神威岬の手前くらいまで走れたらいいな。神威岬は天気が良くないとダメだから、予報をよく確認しておかないと。

ゆるゆるのろのろ。

本日の走行距離: 86km
本日までの総走行距離: 5472km
宿泊地:島牧村・本目海岸
起床:5:00
就寝:23:00
天候:晴れのち曇り
主な食事:レーズンバターロール6、セコマペペロンチーノ、セコマジンギスカンご飯大盛

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